Cー7

 雷に打たれて5度死んだインデュースの体は、強くたくましく生まれ変わっていました。どんな槍もうけ受けず、どんな剣も通さないその体は、まるで鋼のようでした。
 大きなインデュースは、そのまま城へと向かいました。
 帰ってきた彼をみても、城の者はこの立派な青年が誰であるのかわかりません。
大きなインデュースは堂々と王を呼ばわって、約束の施行を迫りましたが、王は彼を以前のインデュースと全く信じません。
「もしお前があのときのこわっぱだとして、約束の剣はどこにある。どこにもないではないか。」
しかし大きなインデュースはもう、王の徒言には動じません。
なぜならそう、彼自身がその雷霆の剣であるからです。
 大きなインデュースは右の腕を高らかに上げると、横へと振り払いました。
そのとき城の外で太いいなずまが、真っ黒な雲間を横に一閃走りました。王も、城の者も、その様子に、ひどく恐れおののきました。王は悲鳴じみた声で叫びます。
「お前が雷霆の剣をもっているとしてもだ。もうおそい!姫はとっくに竜に食われてしまったことだろうよ。」
しかし大きなインデュースは知っています。
「悪言の王よ。信じる信じないはお前の勝手だ。許す許さないもお前の勝手だ。だが私は自分の言にたがわず、かならずそこもとに姫をお連れすると約束しよう。」
王が拒むのもかまわず、大きなインデュースは竜の砦へと向かいました。


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