15−4
闇の中で、小鬼は小躍りしていた。
<やった、やった!餌をちゃんと捕まえたぞ!これで俺様は自由だ!>
角笛を振り振り、頭の上でまわしながら、小鬼は歓喜に酔いしれていた。 洞穴(ほらあな)の中は長い通路になっており、上下左右にはいくつもの横穴が続いていた。地上に続くものもあれば、永遠に闇の中を彷徨う羽目になる穴もある。 勝手知ったるその仮の住まいを、小鬼は上機嫌で進んでいた。不愉快な同居人達にも触れて回る。
<お前達とも、もうお別れだ!あの化け物が目を覚ましたら、村の連中を好きにするといい。ここのところは、人間の大人は一匹もかからないからな。腹が空いて仕方がないだろう!>
そこここの、穴穴から不気味に光る目が無数に頷いた。彼らもここの生活にうんざりしていたのだ。
<つまみ食いはするなよ!?俺様が苦労して、集めたんだ。1っ匹たりとも無駄にできねぇ。ちゃんと養分として吸わせるんだ。それさえ済めば、あとは食い放題だ!!>
今度は洞穴中が、歓喜の声で湧いた。
そのすさまじい音で、子供は目を覚ました。
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